比石館
- 読み:ひいしだて
- 別名:-
- 所在地:北海道檜山郡上ノ国町(GoogleMapで位置を確認)
- 主要城主:厚谷氏
- 文化財指定:上ノ国町指定史跡(指定年月日不明)
比石館は、石崎川河口に突き出した標高24メートルの岬に築かれた城館で、松前藩の歴史書『新羅之記録』に登場する12の館「道南十二館」の一つである。畠山重忠の一族ともいう厚谷将監重政が嘉吉元年(1441)に渡道し築いたと伝えられる。岬の付け根を切り下げて堀切が設けられ、堀切から岬の先端まで約200メートル、最大幅30メートル、平時は現在の石崎集落に居館があったとされるが、居館の跡は見つかっていない。長禄元年(1457)のコシャマインの戦いで攻め落とされ、伝説ではこの時重政は館下に身を投じ、川の主の大鮫になったとされている。その後館は復興し、厚谷氏は蠣崎氏に仕えている。館内には経津主神を祀る館神社が鎮座し、16世紀頃の陶磁器や焼米が見つかっている。
比石館周辺図(地理院地図を加工)。
比石館全景。
周囲は高さ24メートルの断崖になっている。
岬の付け根に設けられた堀切の跡。
現在は神社管理用の車が通れるように石積が設けられて埋められている。
館跡に鎮座する館神社。
周囲には土塁が設けられているが、風除けのためのものと思われる。
神社から南側を見たところ。
堀切跡のところが少し低くなっているのがわかる。
訪城:令和6年6月30日
北海道 渡島