南部陣屋

  • 読み:なんぶじんや
  • 別名:南部藩陣屋
  • 所在地:北海道函館市(GoogleMapで位置を確認)
  • 主要城主:南部藩
  • 文化財指定:-

南部陣屋は、函館山の北東麓の傾斜地に築かれた陣屋で、蝦夷地が幕府直轄領であった寛政11年(1799)に幕府から箱館の警備を命じられた南部藩によって築かれた。当初1.62ヘクタール程度の敷地はのちに3.6ヘクタール以上に拡張され340人ほどが勤務していたが、建物は粗末なものであり、越冬時には多数の病人が出たという。文政4年(1821)に箱館周辺が松前藩の所領に戻ると陣屋は廃された。

安政2年(1854)の箱館開港に伴い蝦夷地が再び幕府直轄領となり箱館奉行が設置されると、南部藩は箱館から内浦湾の沿岸警備を命じられ、元の陣屋が交付された。再建された陣屋には300人ほどが勤務していた。慶応4年(1868)、政情不安により南部藩は蝦夷地警備兵を撤退させることとなり、同年8月31日夜、陣屋を焼き払って帰国し、南部陣屋は廃された。現在は箱館山ロープウェイの駐車場の敷地となり、石垣がわずかに残っている。すぐそばの南部坂の名前は南部陣屋が置かれたことが由来になっている。

現在は函館山ロープウェイの駐車場になっている南部陣屋跡。
陣屋の石垣がわずかに残っている。

南部陣屋旧阯の碑。

訪城:令和6年7月1日

北海道 渡島