宇須岸館
- 読み:うすけしだて
- 別名:宇須岸河野館、箱館
- 所在地:北海道函館市(GoogleMapで位置を確認)
- 主要城主:河野氏
- 文化財指定:-
宇須岸館は、函館山北麓に築かれた城館で、松前藩の歴史書『新羅之記録』に登場する12の館「道南十二館」の一つである。享徳3年(1454)に津軽の安東政季に従って渡道した河野政通によって築かれた。東西35間(63メートル)、南北28間(50メートル)で本丸と二の丸があり、四方を土塁と空堀に囲まれ、箱のような形をしていたことから「箱館」とも呼ばれ、箱館(箱館戦争後に函館に解消)の名の由来ともなったという。長禄元年(1457)のコシャマインの戦いで攻め落とされ、永正9年(1512)のショヤコウジ兄弟の戦いでも落城。以後は廃館となった。
18世紀初頭から箱館は人口が増え始め、寛保元年(1741)には松前藩が亀田番所を宇須岸館跡に移した。寛政11年(1799)に箱館を含む東蝦夷が幕府直轄領となると、箱館奉行所が置かれた。のちに奉行所が五稜郭へ移った後も、宇須岸館跡には北海道庁函館支庁庁舎が置かれるなど函館の行政の中心地となっていった。現在は宇須岸館の遺構はまったくなく、元町公園となっている。
宇須岸河野館の説明板。
元町公園に立つ箱館奉行所跡の標柱。
訪城:令和6年6月29日
北海道 渡島